Vol.43 えっ!今年グラミー賞の目玉となったロードとダフト・パンクに意外な共通点が?
第56回グラミー賞授賞式が現地時間1月26日にアメリカ・ロスで開催されました。
受賞結果はメディア等で大々的に報道されましたが、注目されたのは、なんといっても主要4部門中2部門を獲得(トータル5部門)したダフト・パンク、そして最優秀楽曲賞を受賞したロードの2組でした。
一見なんの共通点もないこの2組ですが、意外や意外、実は大きな共通点が…
今回のメルマガはグラミー授賞式でスポットライトを浴びたこの2組をご紹介します。
まずは、ロード。
ニュージーランド出身、若干17歳のシンガー・ソングライターです。
デビュー・シングル「ロイヤルズ」が全米シングル・チャート9週連続1位に輝き大ブレイク、今回のグラミーでは、見事”最優秀楽曲賞”そして”最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞”を受賞しました。
欧米での彼女の人気の要因は、そのピュアな楽曲、そして、彼女が綴る詞。
'70年代フォークを彷彿とさせる”深さ”を感じる彼女の歌詞の底流には、詩人だった母親や、幼い時期から親しんだレイモンド・カーヴァー(『大聖堂』など)やカート・ヴォネガッド(『チャンピオンたちの朝食』など)の文学作品が影響しているのでしょう。
アンビエントなエレクトロ・サウンドとヒューマニティーな’70年代のフォーク・ミュージックとのケミストリーがロードの魅力と言えます。
次に、シングル「ゲット・ラッキー」で最優秀レコード賞を、アルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』で最優秀アルバム賞を受賞したダフト・パンク。
このメルマガでも幾度となく紹介させて戴いたダフト・パンクの受賞作ですが、その主たる成功要因は、デビュー以来一貫するデジタルなリズミングに、彼らが影響を受けてきたジョルジオ・モロダーやナイル・ロジャースいった’70~’80年代のアーティストとのコラボ・サウンドを大胆に取り入れたミクスチャー・サウンドといえましょう。
この両アーティスト、クラシックな”生音”そして”歌詞”といったアナログ・エレメンツと、EDMムーブメントに象徴される今風のデジタル・サウンドを見事に融合させています。
一聴するとまったく異なった両者の音楽ですが、こんなところに以外な共通点があるのですね。
この2~3年必ずしもビッグ・ネームではない新人がグラミー賞で注目を浴びるのは、エレクトロなリズムにアコースティックなサウンドがミックスされた耳馴染みの良い音がネット・ラジオやストリーミングといった新興メディアを通して幅広い年齢層に聴かれようになったことがその大きな要因と考察されています。
言い換えれば、アーティストのネーム・バリューでなく楽曲自体が受け入れられているから、ということになりましょう。
プラットフォームは異なれど、楽曲の注目の為され方は”ラジオの時代”に近いような印象を受けます。
ソフト(楽曲)もハード(メディア)も、新旧をいかに融合させるか、がポイントですね!
リリース情報
※ロード『ピュア・ヒロイン』(UICO-1262):全米シングル・チャート1位獲得(9週連続)、全英シングル・チャートも初登場1位、世界40カ国のiTunesで1位を獲得した'13年を代表するシングル『ロイヤルズ』収録、
衝撃のデビュー作!
※ダフト・パンク『ランダム・アクセス・メモリーズ』(SICP-3817):ついに全世界的なブレイクを遂げた最新作!生音を大胆にフィーチャーしたダフト・サウンド最新型!